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2019年9月27日 (金)

九月歌舞伎座夜の部一幕見:奇数日「勧進帳」

9月13日 秀山祭九月大歌舞伎夜の部一幕見(歌舞伎座)
どうしても仁左様の弁慶を見たいけれど、この日しかない。幸い、体調もまずまずだし、急いで帰宅しなくてはならない用事もない。昼の部終演後、幕見の列へ急ぐ。ベンチ1台は満席、もう1台の3人目くらいに並ぶことができた。終演が15:42、発売開始が16:45。1時間もあるから座れてありがたかった。係の人に聞くと、幕見席は90席。「寺子屋」から続けて見る人が80人ほどいるから、私はギリギリ立ち見になるかどうかという順番らしい。並んでいる間にも「寺子屋」からの通しの人が何人か。
で、チケットの番号は96番。やっぱり立ち見。それでも早い番号だから、希望の場所が取れた。16:45から集合の18:00まで、三越あたりで時間をつぶすつもりだったのだが、1時間以上も歩き回って、さらに1時間以上の立ち見となるとこれはきつい。ということで、歌舞伎座に戻り4階で座って待つことにした。青空文庫がお役立ちでした。
時間になると、80番までの人、90番までの人、と順番に呼ばれた。この人たちはすぐに入れたようだ。座れる人と立ち見の人をどう整理するのかと思っていたら、なるほど、座席確保できる人たちは先に入れてしまうわけだ。そして91番以降は廊下に並び、(多分)座席が落ち着くまで待つ。この時間がわずか数分なんだけど、長く感じられた。番号は160番台まで呼ぶ声が聞こえてきたから立ち見は約70人ということになる。場所足りる?と思ったら、中央ブロックの壁際に立ち見台があった。座席の後ろに立つのが45人だから立ち見の台に立ったのは30~35人だっただろう。うまくできている。

「勧進帳」
花道は義経の出がかろうじて見えた。弁慶はもちろん見えず、声だけ。
幸四郎さん、最初から力が入っていて、あんなに堅固に関所を守ろうという忠誠心、意気込みを見せた富樫は初めてかも。弁慶が義経を打擲したあと、殺してしまおうかと言った時には頭のてっぺんから出したような声で止めていたのが、余裕がなくもあり、必死さを表現するようでもあり、こういう富樫も初めてのような気がした。どこで義経だと気づいたのだろう。仁左様に対して、若さのせいか、こちらの先入観のせいか、気圧されているようなところもあったが、緊張感が張りつめていてよかった。
仁左様の弁慶は終始落ち着いていて、頼もしい。團十郎さんや吉右衛門さん、白鸚さんに比べて仁左様は線が硬い、と思う。その個性が爽やかさにもなり、知性にもなり、重々しさにも頼もしさにもなる(他の弁慶がそうでないと言っているのではない。それぞれの個性の中で弁慶が活きてくる)。
弁慶が蔓桶の蓋で酒を飲む時、ぶるんぶるん頭を振り身体をゆするような記憶があったが、仁左様は軽く2~3回振っただけであとは普通に飲み干した。ちょっと物足りなくもなかったが、いやいやこれでいいのだと思い直した。
どの辺からだったか、兜巾の顎の結び目がかなり上のほうにきたような気がして、マイクのように見えてしまい、また兜巾がはずれやしないかと心配になったが、私の目の錯覚だったかしら。でも延年の舞の最中にちょっと下げたようでもあったな…。
六方での引っこみは手をヒラヒラさせると最近手拍子が起きやすいが、仁左様は最後までひらひらさせることなく、拍手のみで引っこんでいったのが嬉しかった。幸四郎弁慶でも思ったけれど、やっぱり六方は鳥屋に引っこむまで見ていたいな。
孝太郎さんの義経は意外と言っては失礼だが(2013年に浅草で見ているのに忘れていた)、儚さ、悲しみ、武将としてのプライドなどが見られ、非常によく合っていた。自分の記録を見ると、身体がひどく小さいと書いてあったが、今回はそれは感じなかった。先日のNスペの昭和天皇もとてもよかったし、位の高さが身についてきたのかもしれない。判官御手では、身体が正面を向くのは普通だが、弁慶に差し出す手も正面に差し出していた(見間違いでなければ)。
「勧進帳」はやはり一番面白い。ただ、長唄に関して言えば、「旅の衣は」から「これやこの」までの長唄と三味線にはいつも身体が動きそうなほど昂揚するのに、今回はあまり盛り上がれなかった(偶数日に見た時もそうだった)。そこだけかな、自分の中でちょっと残念に思ったのは。
<上演時間>73分(18:23~19:36)

 

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