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2019年12月28日 (土)

「風の谷のナウシカ」

12月20日、24日 「風の谷のナウシカ」(新橋演舞場)
20日に昼の部、24日に夜の部を観劇。
昼の部では演舞場に入ったら筋書売り場にパーティションポールが置かれ、ずら~っと列ができている。舞台写真は入らないというので私も並ぼうとしたが、なんと列が地階まで続いている。幕間に買おうと3階に上がると、3階でも販売しているとのアナウンス。演舞場ってたしか以前は開幕前は1階でしか売っていなかったような…。おかげで開演前に3階で無事ゲット。
出演者も含め、全体として、「マハーバーラタ」を思い出させた。

まず、右近(尾上)さんの口上があった。空を飛ぶナウシカ、巨神兵、蟲などが描かれたタペストリー幕(と右近さんが言っていた)を使いながらナウシカの世界を簡単に説明。うちには原作の漫画本があるのだけれど(3巻までしかなかった)、私は見ていない。でも右近さんの説明のおかげでだいたいのことが摑めた。
夜の部の口上は道化師役の種之助さん。道化師らしく音曲との掛け合いでナウシカの世界を語ったのだが、私は昼の右近さんのほうがよく理解できた。夜の部は口上のあと、主な登場人物が1人ずつ名乗りをあげる。しばらく引っこんでいた種之助さんは狂言回し的な存在でもあり、ヴ王の最期を見届ける重要な人物で、その存在は西洋の芝居を思わせた。さすが達者なものである。

菊之助さんは「十二夜」でもそうだったが、この役は菊之助さんじゃなくては成り立たなかったかもと思わされるほどナウシカにぴったりだった。怪我をしたのに大奮闘で踊りも入っていたし、昼の部の最後にはメーヴェでの宙乗りもあったし、こちらはそれを忘れて見入った。それでも怪我のために演出も変わったということだし、動きが多少おとなしめになったようだから、完全なコンディションでの再演を大いに期待したい。
七之助さんのクシャナがまた強く印象的でかっこいい。凛とした冷たさ、熱い心、この役もやはり七之助さんでないと、という気がした。


ユパが何歳くらいの人物か知らないが(ナウシカの父、権十郎さん演じるジルの旧友だから、ジルと同年代か)、若い松也さんに大きさが出た。
右近さんもかっこよかった。歌昇さんとの連獅子に見立てた毛振りは圧倒的にきれいだった。歌昇さんは花道の出だしでうまく毛が振れず、それを引きずってしまったようだった。
巳之助さん(ミラルパ、ナムリスの2役)の悪役が線の太さと迫力があってよかった。ミラルパに仕えるチャルカの錦之助さんは自分の考えが大きく転換するに至る苦しみとそこからの奮闘が表現されていた。
又五郎さんは筋を通す潔さと強さがマニ僧正のニンに合っていた。
歌六さんのヴ王、舞台が締まる。
亀蔵(片岡)さんのクロトワもよかったな。これもニン。
特筆したいのは芝のぶさんの庭の主。これまでの舞台と一変、明るく美しい庭で母の心を語るその説得力にナウシカも危うく引き込まれそうになる。芝のぶさんの声を聞いていると、この美しい庭に何か安らげない不穏なものを感じた。
墓の主の声が吉右衛門さんだと後で知ってびっくり。いや、似ているなあとは思っていたのだ。昼の部の王蟲の声が中車さんというのも気がつかなかった。
物語としてはわかったけれど、この週はめちゃくちゃ多忙で睡眠時間もかなり少なかったため、頭がなかなかまわらず、登場人物とか覚えきれないところもあって、もう一度見たい。2月と3月のディレイビューイングは絶対見たいけれど、上映期間がそれぞれ1週間じゃ、見られるかどうか…。
しかし、宮崎駿っていう人は本当にすごい。1982年には今の世界を予言するような作品を発表しているのだから。
<上演時間>
昼の部:序幕80分(11:00~12:20)、幕間35分、二幕目45分(12:55~13:40)、幕間20分、三幕目35分(14:00~14:35)
夜の部:四幕目70分(16:30~17:40)、幕間35分、五幕目30分(18:15~18:45)、幕間20分、六幕目25分(19:05~19:30)、幕間10分、大詰60分(19:40~20:40)

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